ベビーポップラ物語
ベビーポップラのお話
2004年7月19日、ポップラの身長測定をしていたときに、周辺にたくさんの子ども(ひこばえ)が生えているのを発見しました。この年に限らず、毎年、ひこばえは成長していたのでしょうが、定期的な除草の際に一緒に刈り取られていたのだと思います。2004年は次世代育成のことが話題になり始め、なにやら予感が走ったのか、今度は刈られないようにロープでベビーポップラ(“ひこばえ”をこう呼びます)を囲うことにしました。トラロープのベビーベッドの中で太陽に向かってぐんぐん伸び、成長の早い子は1メートルにもなりました。
ところが9月7日の台風18号の強風を受けて、ポップラが根こそぎ倒れました。倒木直後、むき出しになった根にコモを巻いて乾燥を防ぎ、樹木医や造園家の協力を得ながら植え直しに耐えるように幹や枝を落とすなど応急手当を行いました。これらの活動がポップラの再生につながり、最終的には太田川河川事務所が植え直しました。
一方、ポップラの根元ですくすくと成長していたベビーポップラは、屹立作業の妨げになることと、次世代を大切に育てること、そして、広島の戦後復興を見てきたポップラの存在とその倒木を、多くの人に知ってもらうことが緊急の課題となり、ベビーポップラを引き取ってくださる里親さんを急きょ募集することになりました。約40本のベビーポップラが各地に引越ししていきました。
引き受け先は広島県内にとどまらず、こうの史代さん(漫画家、2004年の作品「夕凪の街 桜の国」が文化庁メディア芸術祭大賞、手塚治虫文化賞新生賞を受賞)が橋渡しをしてくださり、2006年3月に東京の中野区「平和の森公園」にも移植されました。
つづきはベビーポップラ分布図(PDF:221KB)をご覧ください。
各地の『ベビーポップラ・すくすくアルバム』は、このページの下をご覧ください。
▲2004年9月10日、親元を離れてベビーポップラが巣立った
ベビーポップラを訪ねて
大崎上島ポップラ 「2007年に瀬戸内へ行ったベビーちゃん(2008/6/1)」
湯来ポップラ 「狐原山の息子は元気を取り戻した(2008/6/28)」」
湯来ポップラ 「狐原山の子どもを下の方へ移動させました(2009/2/11)」
湯来ポップラ 「狐原山の小さなポップラの木(2009/3/25)」
湯来ポップラ 「湯来の狐原山ポップラの身長が伸びました(2009/9/13)」
湯来ポップラ 「湯来の狐原山ポップラに名札をつけました(2010/3/22)」
中太郎 「東京都中野区・平和の森公園の中太郎くん(2009/3/9)」
中太郎 「東京都中野区・平和の森公園の中太郎くん(2009/3/28)」
中太郎 「東京都中野区・平和の森公園の中太郎くん(2011/11/21)」
ごんべいポップラ 「根っこから誕生した中島さんちのポップラ(2009/4/24)」
ごんべいポップラ 「中島さんちの鉢植えポップラが3メートルに(2010/6/2)」
ごんべいポップラ 「鉢植えのポップラが、瀬野川公園へ(2010/11/25)」
ポップラ・ツアー 「庄原七塚原~安佐北区ポプラ~佐伯区湯来~基町(2009/9/20)」
2012年以降のレポートはこちらをご覧ください
〇東広島市「六方学園」ポップラ兄弟を訪ねて(2012/11/11)
〇「平和の森公園」、「瀬野川公園」ポップラ兄弟を訪ねて(2020/05/02)
〇報告 広島市佐伯区の初代ポップラ・ジュニア(2021/05/09)
大崎上島ポップラ 「2007年に瀬戸内へ行ったベビーちゃん(2008/6/1)」
▲レンコン作家さんが故郷の庭先に植えてくれた。潮風にのって「おーい、元気かい?」
レンコンさんこと小川さんは丸太ポップラでレンコンの箸置きやピースバードをつくっています。「ひろしまの水辺100年展」(2006年3月)からのおつきあいです。
海の見える場所に引っ越したベビーポップラは、多分、ここ、広島県豊田郡大崎上島町だけです。また、大崎上島ポップラくんの様子をお知らせくださいね。
湯来ポップラ 「狐原山の息子は元気を取り戻した(2008/6/28)」
2006年に猛暑と枯渇の影響で主幹が枯れて、生存が危ぶまれました。2007年に同プロジェクトの宮本さんが助けてくれて、2008年に再び芽吹きました。周辺の笹・竹軍団に負けないように養生しなくっちゃ、ね。
湯来ポップラ 「狐原山の子どもを下の方へ移動させました(2009/2/11)」
2009年2月11日、狐原山の桜のお手入れの日。でも私たちの使命はポップラの養生です。2008年に再び芽吹いたものの、なかなか大きくなってくれないので、人の目の届く山の下の方へ移動させました。駐車スペースのあたり。「ポップラをながめるためのイス」という名の丸太が目印です。ここならば夏の給水作業も楽になります。湯来ふるさとプロジェクトの宮本さんが日当たりがよくなるように、周辺の笹や木を切ってくださいました。基町ポップラを親に持つ湯来ポップラくん(親ポップラ倒木前のひこばえ)は親の七光り、暖かく見守られています。ありがたいですね。だから、期待に応えてね、湯来ポップラくーん♪
だって、基町ヤングポップラ(親ポップラ倒木後のひこばえ、約6メートルに成長)のお兄ちゃんなんだよ。・・・と小さきものを比較してはいけません。ごめーん。
中太郎 「東京都中野区・平和の森公園の中太郎くん(2009/3/9)」
植樹式の日、東京は桜が見ごろでした。新幹線に中太郎(ベビーポップラ)を乗せて広島から東京へ向かっているときに中太郎の新芽が緑色に膨らみ始めて、びっくりしたことを思い出します。だって休眠期に移植しなくてはいけないのに、「えー!お目覚めですか!?」と大慌て。あれから約3年、まもなく2009年の「桜の国」を迎えようとしています。
植樹式でずいぶんとお世話になった中野区の服部さんから、中太郎くんの写真を送っていただきましたので、ご紹介します。
「きょう、平和の森公園へ散歩に行き、ポプラがこんなに大きくなっているのを画像におさめてきました。7~8メートルくらいになっています。プレートもようやく設置されました。葉が茂ったら、また画像を見ていただけるよう、お送りしますね」
基町ヤングポップラのお兄ちゃんだから、やはり2メートルくらい大きいですねえ。案内板を作ってくださり、本当にありがとうございます。
中太郎くーん♪ 会いたいでーす。
湯来ポップラ 「狐原山の小さなポップラの木(2009/3/25)」
朝、誰もいないだろう…と思い、パジャマでダッーと狐原山に行きました。 桜の花が気になったのです。桜は咲いていませんでしたが、サクランボの花は咲いていました。 もちろん、ポップラも見てきました。わずかに芽吹いている感じ。さきっちょが少し緑ががっていました。 写真では分かりにくいですが、ポップラの支柱にした桜の枝(切り落とした分)には桜の花が咲いていたんですよ! ポップラは大丈夫です。
中太郎 「東京都中野区・平和の森公園の中太郎くん(2009/3/28)」
1年ぶりに東京都中野区にある平和の森公園のポップラ2世「中太郎」に会いに行ってきました。
今年も満開の「桜の国」の季節にと思って行ったのですが、先日来の花冷えのせいか、まだ2~3分程度。でも桜並木はやっぱり壮観で、近くの交差点には「桜の国」ならぬ「桜の辻」という広場もあります。
さて、当の中太郎ですが、本当に大きくなっててビックリしました(ポップラ通りのヤングポップラより大きい感じ)。正に“男子三日会わざれば括目して見よ!”ですね。
今回、会いに行った理由のひとつが、昨年2008年11月に伐採されたオヤジ・ポップラの切屑(遺灰ならぬ遺幹?)を息子に届けるためです。嬉しいことに、3年前の中太郎の植樹式に参加しその後も温かく見守っていただいている、中野区のHさんとFさんも来られ、一緒に根元に散幹?してもらいました。
オヤジ・ポップラの体の一部を栄養として、中太郎がこれからも元気に育って、早く中野区の人たちに恩返しできるようになってほしいな、と思いました。
その後、中太郎のそばでHさん持参のおいしいコーヒーをいただきました。ポップラ・カフェ中野店のオープンです! 【レポーター 蛙】
ごんべいポップラ 「根っこから誕生した中島さんちのポップラ(2009/4/24)」
額縁ポップラをつくってくださった「竹ごんべい」の中島さん。ひそかにポップラの里親さんだった。知りませんでした。ごんべいさんの奥さまからいただいた報告を紹介します。
「根っこがついて捨てられる運命だった枝ポップラを、ごんべい(夫君)が鉢植えにしています。芽が出だしたときにはビックリしましたが、いまでは立派に育っています。ごんべいが、ポップラが芽が出だしたでぇ~と言ったときには、私は半信半疑でしたが、本当に見るとちいさな、ちいさな芽でした。今はしっかりと確実に葉っぱが毎日少しずつ大きくなってきています。
ポップラもしっかり生きています。最近は、見てみて私はここよ~としっかり訴えていますよ。
当分このままでも、いいかもしれませんがもっと大きくなるかと思うと先が心配です。ごんべいは大丈夫と言っておりますが・・・。その時がくれば、ごんべいが、どこか植え替え場所見つけてくるとは思います」
湯来ポップラ 「湯来の狐原山ポップラの身長が伸びました(2009/9/13)」
2009年9月13日、狐原山の手入れの日。4年前に植樹をした桜やクヌギやカエデと、あちこちに伸びまくった笹や木々をきれいに整備する作業の合間、湯来ポップラの周辺も日当たりよくしました。もりメイト倶楽部Hiroshimaの男衆がチェーンソーであっという間に、ちょんちょん切っていきます。
おかげさまで、朝から夕方まで太陽の光をたっぷりと浴びることができます。山の上から下に移動させたときは、50cmくらいだったと思う。まだまだヒョロヒョロだけどね、約2メートル弱になりました。元気に育ってくれてうれしい♪
狐原山はマムシに出会いそうなので、単独行動は控えて一斉作業のときに一緒にポップラ・チェックをさせていただいています。次回も参加します。
ただいま主催の「湯来ふるさとプロジェクト」では狐原山の樹木マップを制作中だそうです。ポップラも仲間に入れてくださいね。
ポップラ・ツアー 「庄原七塚原~安佐北区ポプラ~佐伯区湯来~基町(2009/9/20)」
2009年9月20日。
庄原・七塚原ポプラ→安佐北区久地のコンビニ「ポプラ」と広島市・花みどり公園→佐伯区湯来の狐原山→中区基町のヤングポップラ。
ゆかりのポプラを訪ねる日帰りツアーをしました。
湯来ポップラ 「湯来の狐原山ポップラに名札をつけました(2010/3/22)」
2010年3月22日、狐原山の手入れの日。4年前に広島市佐伯区湯来町の誕生(合併)記念として植樹した桜、この春に開花! あと1週間もすれば初宣言となるでしょう。
きょうは天狗巣病にかかった枝を切断して手当てすること、そして、枯れ木の伐採、下草刈りなど山の整備です。いつものように、もりメイト倶楽部Hiroshima、ひろしま人と樹の会のみなさんがお手伝いに参加されました。そんな中、基町ポップラの遺伝子を持つ湯来ポップラに肥料をして、周辺の木のお手入れをして「よろしくね」とご挨拶してきました。今年は大きくなってほしい、そんな願いを込めて名札(基町ポップラの伐採材から作った)をつけました。
主催の湯来ふるさとプロジェクトは、この狐原山の樹木を1年以上かけて丁寧に観察し、このたび「狐原山の木々(もくもく)マップ」を完成。プロジェクトのHPをご覧ください。ポップラも仲間に入れていただきました!
ごんべいポップラ 「中島さんちの鉢植えポップラが3メートルに(2010/6/2)」
▲鉢植えポップラくん、3メートル♪ 鉢がハチキレそう・・・
冬場に、ごんべいポップラの葉が落ちてなくなったとき、基町のポップラ2世を見にいきましたら立派に(枯葉でも)付いていましたから、ごんべいポップラは枯れたんだ~と思い込んでいました。
そうしていると、春先に芽が出たときには昨年と同様に嬉しくなりました。
6月2日に撮影した「ごんべいポップラ」です。一段と大きくなっていますよ~。
それこそ里親さんを探さないと・・・。「3メートルある」と、ごんべいが言います。
【レポーター マダムごんべい】
中太郎 「東京都中野区・平和の森公園の中太郎くん(2011/11/21)」
日曜日の今日、久し振りに平和の森公園に行きました。自宅から徒歩2分なのに、ここのところ忙しくなかなか散歩の時間もありませんでした。
ちょっと見ない間に、ポップラ中太郎がすごい成長をしていて、驚きました。嬉しくなって、ぜひ見ていただきたくカメラに収めました。画像をお送りします。
●ブログ「ハートフルメッセージ」
2010年11月21日 (日)「中野に根付いた広島ポップラ」
【レポーター 東京都中野区・服部幸子さん】
ごんべいポップラ 「鉢植えのポップラが、瀬野川公園へ(2010/11/25)」
額縁ポップラをつくってくださった中島さん家の「ごんべいポップラ」(鉢ポップラ)が広島市安芸区の瀬野川公園へ引越ししました。
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「ごんべいポップラ」が瀬野川公園のてっぺんに、嫁入りしました。今では毎日の水やりがなくなり、少し淋しくなりました。
この夏に、ひょいと上を見上げると虫に食われて、あれよあれよと葉っぱがなくなり、もう駄目かな?と思いながら殺虫剤を噴霧したところ、復活してくれました。また、緑の葉が出てきたときには嬉しかったですよ!!
ごんべいも考えたのでしょう、これ以上はこの鉢では無理かも?と。それで、安芸区の管理課の方に連絡し説明したのでしょう。私は立ち会っていないのでわかりません。
そうしたら、11月始め頃に『瀬野川公園に植樹』の話を持って来られました。どうなるか、心配しましたが、うまく予定通りいきました。まずはひと安心です。
あちら方面に行くことがあれば、「ごんべいポップラ」を見に寄ってくださいませ。広いですから、車を駐車場におき、ハイキング気分で行かないと疲れるかな?と思います(^^ゞ
●ブログ「竹ごんべいのグログ」
2010年11月25日 (木)「ごんべいポップラの行った先」
【レポーター マダムごんべい】
あちこちのベビーポップラ
2012年秋に、ポップラ2世の病気により次世代のポップラをさがすことになり、あちこちのベビーポップラの様子をうかがいました。
狐原山ポップラは日照の問題で順調に育っていませんでした。周辺の木々に押され枯れてしまったようです。
大崎上島のポップラはイノシシにかじられ枯れてしまったとのこと。
東広島の六方学園では3本のポップラが立派に成長していました。田中園長先生たちの愛情をたっぷりいただいています。
河川事務所己斐出張所の3本は人知れず、ひっそり、でも元気にしていました。(2013/1/3)